定期報告.info ロゴ

お見積り・お問合せ
06-6265-6181
定期報告でよくある問題事例

定期報告でよくある指摘事項・問題事例
避難関係、防火設備関係の項目に指摘があると・・・

定期調査・検査業務を行う中で、必ずと言っていいほど出てくる指摘項目・問題事例についてご紹介いたします。
特に、避難関係、防火設備関係、排煙設備関係など災害・緊急時の安全対策に関係するものが重要です。その他には、建築物の長寿命化、劣化対策も長期的な管理上、早めの対策が必要です。

定期調査・検査でよくある指摘事項

避難経路に「物品の放置」

避難経路に物品等の障害物

定期報告書には「避難施設等」という項目があります。ここには廊下や階段、避難器具等についてのチェック項目が並びます。
調査業務を行っていてよく見かけるのが、避難通路における物品の放置です。普段は問題ないように思われるかもしれませんが、災害時には通行の妨げとなります。また、防火区画を形成する防火扉や防火シャッターの閉鎖の障害となる恐れがあります。

廊下に自転車等の物品を日常的に置いている状態ですと、有効幅員が不足した状態となります。地震災害では物品が転倒・散乱して通路を塞ぎ、火災の煙で視界が悪い状態では、避難時につまづいて怪我をし、二次災害につながります。

入居者様の都合上、物品を置きたくなる気持ちもわかりますが、管理上はもちろん、法的にも問題があります。入居者様に理解を求め、改善する必要があります。万が一の際には、入居者様自身の安全にも当然関わってきます。

防火扉が正常に作動しない

防火扉が閉鎖しない

防火扉は火災時において、防火区画を形成し、避難経路に煙や炎が一定時間浸入しないように遮断する重要な役割があります。その間に安全に1階まで逃げることができるように、設計されています。

一般の居住者・利用者の方の中には、その役割を十分理解されていないケースも多く、出入りの際に面倒な為、ストッパーやロープを使い、開放状態にしている場合があります。福岡市で起きた病院の火災事故では、防火扉の固定が問題となりました。正常に閉鎖しなかったことで、多くの方の犠牲につながったと最終的に判断されています。

定期的に作動点検を実施していない場合、故障や錆、固着等で動かなくなっていることがよくあります。例えば、物品も置いていないし、ストッパーで止めたりしていなくても、塗装改修をした際に吊元側で固着が発生していて動かないといったケースがありました。

平成28年6月から法改正で新設された「防火設備の定期検査」で、感知器連動等で閉鎖する随時閉鎖式の防火扉や防火シャッターを実際に作動点検することとなりましたので、対象となる建物は毎年チェックして報告することになります。

非常用照明器具の不点灯

避難経路に物品等の障害物

非常用照明もまた災害時に重要な役割を果たす設備です。万が一電源が断たれても、30分間は非常用照明の内蔵バッテリーで最低限安全に避難できる照度を確保します。

非常用照明器具には蓄電池別置型と蓄電池内蔵型がありますが、一般的な建物には内蔵型のものが多いと思います。定期的に点検をしておかないと、この内蔵バッテリーの寿命により点灯しないものが出てきます。また点灯しても法で定められた30分間持たないものも多く見られます。特に古い建物で内蔵バッテリーを過去に一度も交換したことがない場合、全滅という事も少なくありません。

おおよそメーカーが公表している内蔵バッテリーの寿命は4~6年で、機器自体の耐用年数も12~15年程度とされています。長期の改修計画で盛り込んでおくべき項目ですが、現実には後回しになることが多いようです。古い場合、交換用のバッテリーが製造終了になっている場合も多く、最近ではLEDタイプも発売されていますので、一度も交換していない場合は、器具ごと交換される方が費用対効果を考えると安くつく場合もあります。

非常用照明器具を下から覗いてみて、緑のランプがついていればバッテリーは充電されています。赤ランプになっていたり、ランプが消えている場合は充電されていませんので、交換等の改修が必要です。このようなことも定期報告の調査・検査の際に確認しています。

排煙窓が開かない

排煙窓の開放、操作オペレータのイメージ

排煙窓は、火災時に有害な煙を外へ排出する設備です。自然排煙の場合、一般的に排煙窓の付近にある開放ボタンを押して開放します。この排煙オペレーターのボタンを押せば一斉に(順番に)排煙窓が開いていきます。排煙窓はワイヤーでつながっていますので、開いた排煙窓を閉じるときには、専用のハンドルを回してワイヤーを巻き取ります。

よくあるのが、ボタンを押しても開放しないケースです。普段操作していないために、汚れ等によって窓枠が固着してしまって開かない場合や、ワイヤーの劣化、オペレーターの故障、ワイヤーが切れてしまっている場合などがあります。

築年数が経てば経つほど、定期的に作動させていない場合、上記のような不具合が起きやすくなります。普段、換気目的で開放すること等がない限り動かす機会はあまりありません。その為意識して、年に数回でも誰かが作動確認を行うのが良いでしょう。管理者の方や施設の職員の方などが、日頃からオペレーターの場所を確認・共有し、万が一の時にすぐにボタンを押すことができる状態になっていることが大切です。定期報告の調査時にも作動確認しますので、不良等があれば気づくことができます。

屋上防水の劣化損傷、切れ、ドレーン詰まり

屋上防水の劣化、屋上ドレーンの詰まり・排水不良

屋上防水の防水層にもアスファルト防水やシート防水、塗膜防水など様々種類がありますが、概ね築10年を超えた建物には何らかの劣化がみられます。新築時の施工の質にもよりますが、ひどい場合はシート防水の「切れ」が発生し雨水が浸入しています。すぐに下階に雨漏りとして出てこなくても、徐々に徐々に水が浸入し、躯体を傷めていきます。

雨水の浸入は建築物の寿命を大きく縮めてしまうと同時に資産価値も下げてしまうことになりますし、長期にわたり放置された状態が続くと構造的にも影響が出てくる可能性もあります。

早めのメンテナンスが重要になりますので、定期的な点検、調査において早期に防水の問題個所を把握することが大切です。
また屋上に関してよくあるのが、ドレーンの排水不良・詰まりです。ひどい場合、プール状態になったままで放置されていたため壁面へ漏水し、外壁タイルが落下寸前というケースもありました。日常点検での泥や落葉の清掃で、このようなケースは避けることができますので、気を付けておきたいポイントです。

建物の構造上、階段がなくハッチから屋上へ上がらなければならない場合には、どうしても日常の点検で屋上防水の状況を見る機会は少なくなります。定期調査を活用し、屋上防水の状態やドレーンの排水状況、その他コーキングの状態などを定期的に把握して、メンテナンスに役立ててください。

ページトップへ戻る