定期報告.info ロゴ

お見積り・お問合せ
06-6265-6181
定期報告業務で使用する調査道具類

定期報告で使用する調査道具・検査道具
実際の業務で必要となる道具類・便利なアイテム

建物の定期調査・定期検査を行う上で、必要となる道具類やあると役に立つアイテムなどがあります。
これから定期報告業務をされる資格者の方はもちろん、所有者・管理者の方で日々の管理において、自身で点検される場合に参考にして頂ければと思います。

打音診断棒(打診棒)

外壁仕上材の「浮き」を調査

まずは打診棒です。外壁仕上材の「浮き」を調査するのに必須の道具です。

タイル貼や石貼、モルタル塗の外壁の場合、この打診棒で点検し、落下の危険性がないか浮きの状況から判断します。
壁面を叩いて調べるのですが、軽くコツコツとたたいたり、壁を「なでる」ように転がして、音の違いによりタイル等の外装材の浮きを発見します。タイルの接着が不十分な箇所は裏側に空洞ができている為に、音の反響が変化します。実際にやってみるとわかりますが、すぐに判断がつきます。ただし、鉄骨造でALCの上にタイルを貼っている場合などは、音が全体的に響いてしまう為、判断は非常に難しくなります。

ロングタイプ(下画像)もあり、200cm程度まで伸びますので、より高い所や広い範囲の打診調査も可能になります。伸縮性なので鞄に入れての持ち運びは問題ありませんが、調査中に常に持ち歩くには長さと重さが若干気になります。

点検フック棒

非常用照明や誘導灯の点灯テスト

非常用照明点灯テスト(白熱灯・蛍光灯)

非常用照明器具や誘導灯の点灯テストの際に使用します。写真のように、器具にはテスト用のフックやヒモがついていますので、それにフック棒の先端を引っかけて引っ張ります。そうすることで電源が内蔵電池に切り替わり、点灯するかどうかの確認をします。(※電源別置型の場合は、この方法では点検できません。)

通常の天井高はもちろん、吹抜けや階段踊り場、店舗や遊技場の天井といった高い所に設置されている非常用照明でも、ロングタイプがあればオールマイティに活躍してくれます。

打診棒にジョイントできるタイプも

手軽に点検フックを使うなら、こんな便利なものがあります。
打診棒の先にジョイントすることで、点検フックが出来上がります。打診棒1本で2通りの使い方ができるので重宝します。ただし、土牛の場合、打診棒レギュラーの球直径に合わせてありますので、球直径の少し大きい打診棒ロングには使用できません。無理にはめようとすると、プラスチックの掴み部分が割れてきます。また、プラスチックのつかみ部分は、脱着を繰り返すうちにやはり劣化してきます。特に冬場は固くなっているため、破損しやすい印象です。

作業効率という面ではやはり専用の「点検フック棒」の方が早く点検作業を行えます。実際に使用した感想としては、正直脱着の回数が増えると少し面倒に感じてきます。この点さえ気にならなければ、安く少ない道具で調査を行えますので便利なアイテムです。

ただ、LEDタイプの非常用照明やコンパクトタイプの誘導灯などでは、点検フックや紐ではなくボタンになっているものがあります。上記のフック棒は、押すことには向いていません。そんな場合は、こんなタイプの点検棒もあります。
ノーブランド品で形が少し違いますが、非常に軽く値段も手ごろでおすすめです。


最近ではLEDタイプの非常用照明器具も増えてきました。比較的新しいタイプのものにはリモコンで点検ができるものがあります。ヒモを引っ張ったりボタンを押す必要がないので、作業効率がすごく上がります。ただし、メーカー毎にリモコンが違いますのでt、すべて揃えるのは大変です。そんな中パナソニックは値段も手頃で操作もわかりやすく、コンパクトなので買って損はないでしょう。

テンションゲージ・プッシュプルゲージ

防火扉の閉じ力を測定

H20年の法改正により防火戸の運動エネルギーと閉鎖する力(閉じ力)を測定しなければならなくなりました。その時に使用する道具がテンションゲージです。避難時に防火扉に挟まった場合の事故を考慮して150N(ニュートン)以下になるように、扉の閉まる力をドアチェックなどで調整します。ですから150N以上測定できるものが必要です。

プッシュプルゲージ

以下の画像にあるようなプッシュプルゲージでも同様に測定できます。こちらも150N以上の測定ができるものを選びましょう。
防火扉の測定で使用する場合には、専用の固定ハンドルが必須となります。無しでも測定できないことはないと思いますが、測定しづらいのではないかと思います。ただし、値段がそれなりにします。あまり注文がある商品でもないと思いますので、仕方ないのかもしれません。

照度計

避難時の非常用照明による照度の確保

建築設備の定期検査では、非常用照明の照度を測定します。

火災などの事故の際に電源が失われても、安全に避難できるように非常用の照明装置で最低限の明るさを確保する必要があります。避難経路で最も暗くなる場所の床面において、白熱灯で1lux(ルクス)以上、蛍光灯やLED灯で2lux(ルクス)以上の照度を確保しなければなりません。

デジタル照度計は、数千円と安いものから比較的高価なものまで様々です。定期検査では業務用として使用する為、ある程度の耐久性と精度が確かなものの方が安心です。

最近では、LED灯の非常用照明器具も増えてきました。パナソニック、東芝ライテック、三菱電機など各社から製造されています。
より正確に照度を測定するには、LED光源対応の照度計を使用する必要があります。蛍光灯やLED灯は、肉眼ではわかりませんが実際には高速で点滅を繰り返しています。特にLED灯の発光原理は半導体を使った方式で、蛍光灯とは異なります。  

各種光源に対応した照度計を選ぶことで正確な測定ができます。例えば、以下の日置電機(FT3424)の照度計であれば、LED照明にも対応しています。

風速・風量計

必要換気量・規定風量を満たしているか測定

機械換気設備の検査では、「換気に有効な窓が無い居室」や「火気使用室(調理室等の燃焼機器が設置されている部屋)」において風速風量測定を行い、必要換気量を満たしているか検査しています。また、機械排煙設備についても、排煙機本体と各フロアの区画に設置されている排煙口の風速風量測定検査を行います。

測定箇所が入り組んだ場所や、手の届きにくい場所など、測定がやりにくいケースがあります。その為、プロペラが付いたベーン式の風速計より、先端が細く伸縮する熱式タイプの風速計の方が測定はしやすいと感じます。ただ、熱式は先端のセンサー部分が、風で冷却されたときに生じる電気抵抗を読み取って、風速を計測しています。このセンサー部分は非常にデリケートですので、破損しないように注意が必要です。

     

スマホアプリと連携するタイプのものもあります。

二酸化炭素(CO2)濃度計

無窓の居室において、換気量測定の代わりに測定

建築設備の定期検査では、無窓の居室の換気量測定の代わりに二酸化炭素濃度の測定判断でも有効とされています。

一般的に、二酸化炭素濃度が1000ppm以下であれば、人体の健康に悪影響はないとされます。二酸化炭素濃度は、測定する居室の使用状況や測定場所で大きく変わる場合がある為、実際の部屋の利用を想定した測定をする必要があります。

レーザー距離計

幅員や部屋内の寸法計測

定期調査や定期検査の際には、通路幅員や距離、部屋内寸法を測定する機会が出てきます。その際に、レーザー距離計は非常に重宝します。説明の必要もあまりないかと思いますが、コンベックス(メジャー)に比べ、作業スピード・測定精度が上がると共に、一人であっても測定ができるので助かります。

比較的手頃なレーザー距離計は、ほとんどが屋内用ですので、基本的に屋外で敷地の距離などを測ることはできません。外部は明るく、屋内用のレーザーでは光が届かないためです。
定期調査に限らず、他の業務も含め屋外での測定を行いたい場合は、屋内・屋外用のレーザー距離計がおすすめです。レーザーの光が強いので、最大測定距離は100mを超えます。1台あればあらゆる用途をカバーできます。

その他

高倍率のデジタルカメラ

建物の調査を行っていると必ず外部調査で確認しにくい時があります。外壁のクラック等を確認したい場合でも、高層棟であったり、敷地がいっぱいなため離れた場所から確認しなければならなかったりと、肉眼の目視では十分に確認ができません。

このようなときは、カメラのズーム機能を使い確認すると詳細に状況が確認できます。30倍以上のズームのあるものであれば非常に役立ちます。最近のデジタルカメラは手ぶれ補正が優秀なので問題なく鮮明に撮影できます。さらにコンパクトなので調査時もかさばりません。屋内であればスマートフォンで事足りてしまう時もありそうですが、屋外ではやはりデジカメが必須です。

ストップウォッチ

防火扉や防火シャッターの閉鎖時間を測定するときに使用します。

時間が測れればどんなものでも問題ないのですが、調査での経験上、セイコーやカシオなど時計メーカーのストップウォッチが非常に良いと感じています。100均ショップでもストップウォッチが売られている時代ですが、調査時にボタンが壊れたり、少しの衝撃で測定できなくなったりと、業務に支障が出ます。その点、上記のような時計メーカーのものであれば、衝撃に強く、電池の持ちも良いため電池を交換することは何年もありません。

スマートフォンでもストップウォッチ機能がありますが、現場で道具を持ちながらの作業では、落下の危険性が高いため、シンプルで紐で首から下げられるものが結局は使い勝手がよくおすすめです。その他、時計メーカーのデジタル腕時計でもいいと思います。

ヘルメット

現場調査時には安全のためヘルメットの着用シーンが出てきます。
常に車で調査・検査に向かう場合にはそれほど問題になりませんが、電車で現場に向かう場合は荷物がかさばらないようにしたいものです。建築士の方は比較的電車で移動する方も多いのではないでしょうか。その時にヘルメットがとてもかさばってしまいます。

上の写真をクリックして見ていただくとわかるように、このヘルメットは折りたたみ式で厚みが薄くなるタイプや、上半分が回転し厚みが半分になるものなど、かさばる問題を解決できます。
防災用となっていますが、国家検定合格品(飛来落下物用・墜落時保護用)となっており、定期調査業務で使用するには十分です。

ヘッドライト

定期調査時には、天井点検口を開けて中を覗いたり、機械室等の暗い部屋を見る場合があります。

両手が塞がっていたり、写真を撮りたかったり、調査内容を図面に書き込みたかったりと、様々明かりが無いときに不都合が出ます。このようなとき懐中電灯では、作業しづらい事があります。その時にヘッドライトをつけていれば、両手の自由がきくのでとても役立ちます。
ヘルメットを着けないときに頭につけるのも変なので、普段は首にかけられるタイプのものを使用し、すぐ点灯できるようにしています。

指さし棒

定期調査時に問題個所があった場合、この指差し棒でその箇所を指示し写真撮影を行います。

後から写真を見た際に、何もなしで撮影する場合と比べ、指摘箇所が非常に分かり易い写真になります。壁面のクラックや外壁タイルの浮きなどは後で写真を見ても、その箇所がわかりにくい時があります。この赤い指先があればそのようなことはありません。写真を貼付した報告書もわかりやすい書類となります。

現場撮影用 伸縮式ホワイトボード

定期調査の指摘箇所には写真添付が必要です。一般の定期報告であれば黒板を入れた現場写真はいりませんが、公共建物の定期点検の場合など、定期報告業においても必要となるシーンが出てきます。そんなときに便利なのが伸縮式ホワイトボードです。

一人で黒板を入れて撮影できますし、畳んでカバンに入れることができますので、電車移動でもコンパクトに持ち運べます。
色々なメーカーから何種類も出ていますので、使い勝手の良さそうなしっかりしたものを選べば問題ありません。注意するところはサイズとマグネット対応かどうかです。決まった文言を繰り返し使用する場合は、マグネットで貼り付けるタイプのものを購入した方が便利かと思います。マグネットシートを100均等で買ってきて、自作すれば様々な文言のプレートを作れます。

ページトップへ戻る