防火設備の検査報告費用(報酬)について
防火設備の「種類」「設置数」、「設置状況」「作業時間」などによって変わります。
防火設備の定期検査費用・報酬額について
平成28年の法改正で新たに追加された「防火設備」の定期検査は、これまで建物全体を調査する「特定建築物」の定期調査でチェックしていた項目を、独立させる形で新設したものになります。
詳しくは「防火設備の定期検査について」をご覧ください。
ここでは見積金額を算出する際の考え方に重要な要素となりますので、簡単に経緯をご説明します。
よく「防火設備の点検は消防点検でやっているのに、やる必要があるんですか?」ということを聞かれます。これは多くの所有者・管理者様が疑問に思われる点で、答えとしましては「消防点検とは別の検査になるので実施する必要があります。」となりますが、混乱しやすいポイントです。これは防火設備の設置はあくまで建築基準法で規定されているものですが、そこに煙感知器や連動制御盤といった消防設備が関係してくるからです。防火設備は、建築基準法と消防法の両方のカテゴリーに関わる設備と言えます。
対象となる防火設備のご確認を!
防火設備には大きく「常時閉鎖式」と「随時閉鎖式」のものがあります。防火設備検査で、チェックするのは「随時閉鎖式」の防火扉や防火シャッター、耐火クロススクリーンなどになります。随時閉鎖式とはつまり、普段は開いた状態で使用し、火災時に感知器連動等で自動で閉まる防火設備のことです。
防火設備はもちろん煙感知器や連動制御盤といった設備も含めてチェックしなければなりません。
こうなると消防設備の範疇も建築士等の建築資格者がチェックする必要があり、従来の特定建築物定期調査の一項目としてのチェックでは、十分にチェックされない(していない)との懸念から、より専門的にチェックさせるために防火設備定期検査として独立させたのです。建築基準法と消防法は、法令的には住み分けがなされていますが、現場での点検業務では両方を見る必要が出てくるのです。
弊社の場合、建築資格者と消防資格者で一緒に検査業務を行い、それぞれの範疇をカバーし、適切な点検業務ができるようにしています。また、通常4名程度で作業するのも他の定期報告業務との違いでもあります。定期報告業務を行う場合、特定建築物調査では最低1人でも調査できないことはありません。経費を抑えたい会社では、1名で行っているところも少なくありません。ただ、防火設備の定期検査に関しては、最低でも3~4名必要になってきます。これは現地で感知器を炙る、連動制御盤の操作、扉やシャッターの測定、閉鎖時の安全対策など、ある程度人数がいないとスムーズに作業が行えないからです。
防火設備の検査費用・報酬目安
防火設備検査の見積り費用算出について
上記のように、防火設備特有の作業内容などから、特定建築物の調査費用のように一覧表で統一した検査費用を明記するのは簡単ではありません。
「防火設備」の定期検査については、建物によって設置されている防火設備の種類や設置数、設置個所が一様ではないため、図面等で確認しながら個別に判断する必要があります。また、作業時間や作業内容によって、建築資格者と消防資格者が何人必要なのか、時間的制約があるのかなども考慮しなければなりません。(※店舗や病院等の用途では、営業時間の都合で作業時間の制約がよくあります。)
ただし、防火設備の定期検査を依頼される立場からすれば、どれぐらいの費用が目安としてかかるものなのかを知りたいと思われるのが当然です。その為弊社では、過去実際に防火設備の定期検査報告を行った事例をもとに、費用・見積価格の目安をお伝えさせて頂いています。
ただ、建物はそれぞれ違いますから、あくまで目安と考えて頂き、防火設備の状況がわかる資料(確認図面や現地写真など)をご準備いただき、設置数などに間違いがないように、できるだけ正確にお見積りをさせていただきたいと考えています。実際に資料を送っていただいて内容を確認しましたら、常時閉鎖式の防火扉しかなく対象外だったということも少なくありません。ですから、このページの値段だけにとらわれず、お気軽にお問合せ・お見積りのご連絡をください。できる限りのご相談には対応させて頂いております。
見積金額の内訳など
検査費用は、現地検査+報告書作成費に、交通費と諸経費を加算したものが最終のお見積り金額になります。
築年数の浅い建物や建築設備の定期検査と一緒にご依頼いただく場合などには、割引させて頂いております。
※報告先が(一財)大阪建築防災センターの場合、「支援サービス料」が別途かかります。
支援サービス料は、物件の規模(対象面積)により異なりますので、このページ下部のリンクよりご確認ください。
検査費用には「現地検査」→「報告書類作成」→「提出代行」の定期報告業務のすべてを含みます。報告完了まで弊社へお任せください。
事例-1(防火設備 1種類)
児童福祉施設等(老人ホーム)
■物件所在地:大阪府東大阪市
■延べ床面積:1,170m2
■対象設備 :防火扉 4枚
■検査費用 :68,000円(税抜) ※交通費・諸経費・センター手数料込
事例-2(防火設備 2種類)
個室ビデオ店等(カラオケ店)
■物件所在地:大阪府大阪市
■延べ床面積:770m2
■対象設備 :防火扉 6枚、耐火クロススクリーン 5ヶ所
■検査費用 :103,000円(税抜) ※交通費・諸経費・センター手数料込
事例-3(防火設備 2種類)
ホテル
■物件所在地:大阪府大阪市
■延べ床面積:2,040m2
■対象設備 :防火扉 6枚、防火シャッター 1ヶ所
■検査費用 :80,000円(税抜) ※交通費・諸経費・センター手数料込
事例-4(防火設備 2種類)
事務所
■物件所在地:大阪府大阪市
■延べ床面積:4,500m2
■対象設備 :防火扉 8枚、防火シャッター 2ヶ所
■検査費用 :100,000円(税抜) ※交通費・諸経費・センター手数料込
事例-5(防火設備 1種類)
障がい者支援施設
■物件所在地:京都府京都市
■延べ床面積:1,450m2
■対象設備 :防火扉 4枚
■検査費用 :85,000円(税抜) ※交通費・諸経費
お見積金額には事前打合せから、現地調査、特定行政庁での関係書類・申請書類閲覧、報告書作成、調査後打合せ、報告書提出、控え作成・ご返却までの、定期報告にかかる一連の業務を行う費用となります。
実際のところ、検査者の検査方法や、検査にかける時間や人数、書類作成の内容、提出先の特定行政庁の違いなど、検査を行う会社によって費用に大きな差が出ることもしばしばです。弊社では適正価格でしっかりと検査を実施させて頂き、検査内容を実際の建物管理にしっかり活かして頂けますよう、見やすい報告書類作りも心がけております。
まずは、お見積依頼のお問合せを下さい。ご希望に添えるように条件等を打合せさせて頂きます。
(注)特定建築物定期調査の費用に関する事はこちら → 特定建築物の定期調査の費用について
(注)建築設備 定期検査の費用に関する事はこちら → 建築設備の定期検査の費用について
その他にかかる費用
※交通費及び経費が必要になります。遠方の場合は旅費・宿泊費が必要な場合もございます。
※図面資料が残っておらず、建物の測量や図面作成が必要な場合は別途費用が必要です。
報告窓口での手数料
○大阪府は、(一財)大阪建築防災センターに受付窓口業務を委託しており、受付時に手数料(支援サービス料)が必要です。
→ (一財)大阪府建築防災センター 支援サービス料一覧
○兵庫県(神戸市以外)も、(公財)兵庫県住宅建築総合センターに窓口業務が委託されており、指導手数料が必要です。
→ (公財)兵庫県住宅建築総合センター 指導手数料一覧
○奈良県(奈良市、橿原市、生駒市)も、(一財)なら建築住宅センターが提出窓口に指定されており、支援サービス料が必要です。
※奈良県下で上記3市以外は、平成28年度より方針を変更し、直接特定行政庁で受付をすることになりましたのでご注意下さい。
→ (一財)なら建築住宅センター 支援サービス料
○神戸市や京都市は、特定行政庁が直接窓口審査を行う形をとっていますので、手数料は不要です。